自然史博物館を最初に設計したのはカルヴァート・ヴォークス等である。 この人は1880年の移転当初のメトロポリタン美術館も設計していて、 それは赤レンガのゴシック様式だったそうだ。 この人はセントラルパークのグランドデザインもやっている(共作)。
この創建当初、ヴォークス等は大陸で最大の建物を作るつもりだったそうだ。 その彼等が作った棟を見たかったのだが、 「創建当初の棟は77丁目側にある」と「ニューヨーク摩天楼都市の建築を巡る」 に間違って書いてあったので、77丁目側だけ見て帰ってきてしまった。 実際には、ヴォークスの棟はコロンバスアベニューにあったので見てない。
1 拡大
2
3 拡大
で、見たのは77丁目側の、主に J.C.Cady により作られた部分である。 Cady による正面エントランス部分が写真1である。 この中央正面は、磨かない石の表面で仕上げた素朴な印象を抱かせる建物である。 このデザインは、最初、中世の城塞のイメージから来ているような気がしたのだが、 AIAのNYガイドによればロマネスク・リバイバルだという事だ (まあ、ロマネスクの古城もある筈だけど)。
この後から作ったファサードといい、敷地の巨大さといい、 大陸で最大の建物を作るつもりだったという基本計画が偲ばれる。 この博物館は、1869年創設当初には3400点の標本しかなかったという。 だから、その数年後にこれだけの規模の敷地を用意し、 増築を見込んだ建物を作ったのは、大した事である。 これから標本を拡充し、ゆくゆくは世界有数の博物館になるのだ、 という意気込みが当初からあったという事だ。 事実、その後は増改築を繰返し、世界的規模の博物館になった。
より広域を表示する
[参考]
■ 2001-2006 Copyright. All rights reserved |
トップページを表示 |