レヴァーハウス
Lever House (1952)
by ゴードン・バンシャフト/SOM (スキッドモア、オウイングス&メリル)
  (Gordon Bunshaft/SOM)


NYへのモダニズムの到来を告げたビル。完全ガラス張り。高層棟の足元に低層棟(ピロティ)で囲まれた広場
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レヴァーハウスは、ニューヨークにおけるモダニズム建築の先駆けの一つである。 ニューヨークにおけるモダニズム建築の先鞭をつけたのは、 1939年移築の ニューヨーク近代美術館 であった。 その後モダニズムで重要なものとして、 第二次大戦後、コルビュジェが参加して 国連本部ビル (1947-1953)の検討が始まる。

レヴァーハウスはそんな時期に建てられ、 ニューヨークの中心市街部にモダニズムの到来を告げたと言われる。 ついでミース・ファン・デル・ローエの シーグラムビル (1954-1958)が建てられる。 レヴァーハウスの設計者、SOMのゴードン・バンシャフトは、 チェースマンハッタン銀行 (1961)も設計している。

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見に行ったとき丁度改装中で、良い写真が無い。 構成としては板状の直方体である高層棟があって、その足元には低層棟がある。 低層棟は広場を囲んでいて1Fがピロティになっている。 当時としては、高層棟がセットバックせずに横に平らな直方体である事だけで目新しかったろう。 そして全面ガラス張りのカーテンウォールが、何と言っても新しかった。 次に1F部分が殆どピロティで、中庭があって開放感を強調している点も興味を引いたろう。 ただ、モダニストならもっとプラザ(1F広場)を強調しても良いような気がしたのだが、 敷地の広さとか効率との関係でこうなったんだろうか。

行ってみて、しかし、一番感じたのは、傷みが激しいという事だった。 ディテールに色々朽ち果てた無残な傷口が開いている。 国連本部ビル も傷みが激しくて問題になっているが、 この頃建てられたビルは何か特に工法上の問題でもあったんだろうか?。 戦前の建物がまだ充分元気なのに比べて一体どうした事か。 一方 シーグラムビル はまだ痛んでいるようには見えなかったし、 チェースマンハッタン銀行 もそうは見えなかった。 という事は、1950年代前半の一時期の建物だけ特に具合悪いのか??。






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[参考]
  • 「ニューヨーク摩天楼都市の建築を巡る」小林克弘著、丸善


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