NYの夜景について




ここではNYの夜景をお見せしましょう。 これは エンパイア・ステートビル つまりミッドタウンサウスにあるビルから撮ったものです。 写真1を大きくして見て下さい。真中に摩天楼が集中した島が見えると思います。これが ミッドタウンサウスから見た、ちょっと遠くにあるロウアーマンハッタンです。 ロウアーマンハッタンには高層ビルが密集していて、他の周囲には逆に高いビルが少ない事がよく分かります。


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写真4を見ると、もっとずっと近くに高層ビルがやたら迫って見えて来ています。 これが近くにあるミッドタウンノースの高層ビル群です。 右上に クライスラービル 、左上に シティコープセンター も見えています。 写真3はもう少し左側(西側)を撮ったもので、 中央やや右の非常に明るく照り返しているビルは、 ロックフェラーセンター のGEビルです。 更にもう少し左(西)を見たのが写真2です。


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ついでに写真の説明をしてしまいますと、写真5が西側、写真6が東側の夜景です。 写真7は南からやや左(東)の近景です。

こうして夜景を見ていると、高層ビル群が迫ってくるミッドタウンノースの夜景(写真2〜4)には、 何か圧倒されるものがあります。 夜景というのはビルの躯体が後退して、窓の中ばかりが明るく見えるわけです。 つまり中にいる人の仕事や生活のありようだけが我々の目に映って来るとも言えます。 それは、この過密した摩天楼都市の中で行われているであろう様々な活動を想わさずにはいません。


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「錯乱のニューヨーク」のコールハースによれば、 マンハッタンの摩天楼に人々が投影したイメージ(或は摩天楼の本質的意義)は、 「オフィス利用」という開発側の大方の論理とは異なり、ブロック毎の摩天楼をつうじて、 あらゆる「状況」をあらゆる所、あらゆる時に望むままに再現しようとする事だといいます。 つまり何に使っても良いのです。

そうして、それぞれが全く異なる使い方や生活、考え方を体現した摩天楼(孤独のシステム)が集まって、 マンハッタンというメガヴィレッジを形成します。 「各ビルは『ハウス』となり、『ハウス』はそれぞれに異なる生活様式、異なるイデオロギーを表現する」 (「錯乱のニューヨーク」)。 各摩天楼は、それぞれが違う独立した<生活>の巨大な塊としてあります。 しかし外見にはそれが反映されず、見た目は皆同じような巨大さのイメージだけを伝えるものとなります。

巨大さのイメージだけを伝える各建物の中で、それぞれの生活が繰り広げられている・・。 何だか、そのイメージって、一昔前のSFにありがちな、宇宙の植民都市とか巨大都市のイメージですね。 でもそれらしいものを、いやしくもこの地球上で実地に作って見せたのがマンハッタンだったという事でしょう。 そんなマンハッタンのありようを、一番端的に想像させてくれるのが、この夜景ではないでしょうか。





[参考]
  • 「錯乱のニューヨーク」レム・コールハース著、筑摩書房


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