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建物の様式と歴史的流れから検索する



時代の流れに沿って、建物を様式区分しました。うんと簡単な解説付きです。


[1700-1800年代の古い建物]

ヨーロッパの建築の動向を反映して作られた様式建築など。


英国後期バロック
聖ポール教会(1766) by トーマス・マックビーン


ジョージアン、フレンチルネサンス復興
シティーホール(旧市庁舎)(1803-1813 ) by ジョセフ・F・マンガン


ギリシャ復興
フェデラル・ホール国立記念館(旧税関)(1833-1842) by タウン&デイヴィス


ゴシック復興
セントパトリック教会(1858-1908) by ジェイムズ・レンウィック
トリニティ教会(1846) by リチャード・アップジョン
メトロポリタン美術館(移転当初)(1880) by カルヴァート・ヴォークス、J・レイ・モウルド


ロマネスク復興?
自然史博物館(創建当初)(1872-77) by カルヴァート・ヴォークス、J・レイ・モウルド





[カースト・アイアン・ビル]

イギリスで始まりマンハッタンのソーホーで、一時期盛んに作られたカースト・アイアン・ビル。


カースト・アイアン・ビル
ホーワウトビル(1858) by ジョン・ゲイナー





[1800年代末から1900年代にかけての古典参照建築]

ヨーロッパの建築動向のコピーのような時代は過ぎて、 マンハッタン自身の中で起きたフランス城館趣味や、 シティ・ビューティフル運動などの動向に基づいて選択された古典的スタイルの建物である。 この時代の最大の成功者は、何と言ってもマッキム・ミード&ホワイトであった。


フランスルネサンス城館風
ダコタアパート(1884) by ヘンリー・J・ハーデンバーフ
プラザホテル(1907) by ヘンリー・J・ハーデンバーフ


折衷様式
聖バーソロミュー教会(1916) by バートラム・G・グッドヒュー


イタリアルネサンス復興およびボザール様式
ヴィラード邸(1882-85) by マッキム・ミード&ホワイト
モーガンライブラリ(1902-06) by マッキム・ミード&ホワイト
メトロポリタンクラブ(1891-94) by マッキム・ミード&ホワイト
ラケットテニスクラブ(1916-1919) by マッキム・ミード&ホワイト
ユニバーシティ・クラブ(1900) by マッキム・ミード&ホワイト
センチュリークラブ(1889-91) by マッキム・ミード&ホワイト
グランド・セントラル駅(1903-13) by ワレン&ウェットモア
ティファニービル(1903-06) by マッキム・ミード&ホワイト
ニューヨーク公立図書館(1897-1911) by カレール&ヘイスティングス
ニューヨーク市庁舎(1907-16) by マッキム・ミード&ホワイト
ブルックリン美術館(1893-1915) by マッキム・ミード&ホワイト
旧合衆国税関(1907) by キャス・ギルバート
メトロポリタン美術館(中央部)(1902) by リチャード・モリス・ハント
メトロポリタン美術館(翼部)(1916) by マッキム・ミード&ホワイト


ロマネスク復興
自然史博物館(南エントランス他)(1901) by J・C・キャディ


ローマ、バロック復興
自然史博物館(ルーズベルト記念館他)(1936) by ジョン・ラッセル・ポープ





[古典様式と繋がりのあるオフィスビル]

1900年初頭のオフィスビル。 1800年代には様式がまだ生きていて、 およそ「建築」というものは、石で作って(石をまとって)しかるべき装飾をすべきものであった。 そんな建築観念がまだ生きていた時代に、 高層オフィスビルという新しいビルディングタイプをどう作るべきか 模索して作られたビル達である。 アールデコとゾーニング法が新しいマンハッタンらしいビルディングを創り出す前の時代のビルとも言える。

注意:ティファニービル、ニューヨーク市庁舎も該当するが、これらは上の 「イタリアルネサンス復興およびボザール様式」に分類している。 また一方、チューダーシティは便宜上ここに分類している。


古典様式的な装飾ビル
フラットアイアンビル(1902) by ダニエル・バーナム
シンガー・ビル(1904) by アーネスト・フラッグ
メトライフタワー(1909(土台10階部分は1893。塔部分が1909)) by ナポレオン・ルブラン父子
エクイタブルビル(1915) by E.R.グレアム


擬ゴシック
ウールワースビル(1910-1913) by キャス・ギルバート
チューダー・シティ(1925-28) by


古典様式との混合
ニューヨーク証券取引所(1903) by ジョージ・B・ポスト





[マンハッタニズム建築]

1916年にゾーニング法が施行され、セットバックした形態のビルが建つようになった。 そんな時代のいかにもマンハッタンらしい1920-40年代の高層ビルである。 アールデコがデザインとして大はやりした時代なので、 ビルデザインとしてもアールデコ系が多い。


マンハッタニズム
ダウンタウン・アスレチッククラブ(1931) by スタレット・アンド・ヴァン・ヴレック&ダンカン・ハンター
デイリーニュース社ビル(ニュースビル)(1930) by レイモンド・フッド+ジョン・ミード・ハウエルズ


アールデコ+マンハッタニズム
アーヴィング・トラスト・ビル(1931) by ラルフ・T・ウォーカー
アメリカン・ラジエター・ビル(1925) by レイモンド・フッド
ウォールドルフ・アストリア・ホテル(1931) by シュルツ&ウィーバー
エンパイアステートビル(1931) by シュリーヴ・ラム&ハーモン
クライスラービル(1928-1930) by ウィリアム・ヴァン・アレン
ニューヨーク・テレフォン・ビル(1926) by ラルフ・T・ウォーカー
パーク・アヴェニュー・ビル(1927) by イライ・ジャック・カーン
ロックフェラーセンター(1932-1940) by レイモンド・フッド、H.W.コーベット等の設計チーム
旧RCAヴィクタービル(1931) by クロス&クロス


モダニズムの影響を色濃く受けたもの
マグロウヒルビル(1930) by レイモンド・フッド





[モダニズムと、その時代の建築]

主に1950-60年代の建築。 この時代の一番大きな特徴は、マンハッタンにモダニズムが本格的にもたらされた事である。 第2次大戦前からモダニズムの影響はあった(ニューヨーク近代美術館 1938-39)けれども、 本格的にマンハッタンにモダニズムがもたらされたのは戦後であった。


モダニズム
シーグラムビル(1954-1958) by フィリップ・ジョンソン、ミース・ファン・デル・ローエ
チェースマンハッタン銀行(1961) by ゴードン・バンシャフト/SOM
ニューヨーク近代美術館(1938-39) by エドワード・ダレル・ストーン、フィリップ・L・グッドウィン
ニューヨーク近代美術館(増改築)(1951,1964) by フィリップ・ジョンソン
マリン・ミッドランド銀行(1967) by SOM (スキッドモア、オウイングス&メリル)
メットライフビル(旧パンナムビル)(1963) by ワルター・グロピウス、ピエトロ・ベルスキ、エミリー・ロス&サンズ
レヴァーハウス(1952) by ゴードン・バンシャフト/SOM
ワールドトレードセンター(1970-1977) by ミノル・ヤマサキ
国連本部ビル(1947-1953) by ウォーレス・K・ハリソン、他(原案:ル・コルビュジェ)


モダニズムの影響を受けつつも独自路線のもの
CBSビル(1965) by エーロ・サーリネン
TWAターミナル(1956-62) by エーロ・サーリネン
フォード財団ビル(1963-1968) by ケヴィン・ローチ&ジョン・ディンケルー
ホイットニー美術館(1966) by マルセル・ブロイヤー


有機的建築(ライト)
グッゲンハイム美術館(1956-1959) by フランク・ロイド・ライト





[ポストモダニズム時代の建築]

主に1970-1980年代のビル。 モダニズムに飽き足らなくなった建築家の間に、ポストモダニズムと呼ばれる新しい方向性が、 1970年代を中心に表れ始めた。


ポストモダニズム
AT&Tビル(1984) by フィリップ・ジョンソン
IBMビル(1982) by エドワード・ララビー・バーンズ
シティコープセンター(1976-1978) by ヒュー・スタビンズ&アソシエイト
トランプタワー(1983) by デア・スカット
ニューヨーク近代美術館(増改築)(1984) by シーザー・ペリ&アソシェイツ
メトロポリタン美術館(増築)(1970代) by ケヴィン・ローチ&ジョン・ディンケルー
ワールド・ファイナンシャル・センター(1987) by シーザー・ペリ&アソシェイツ
ワンUNプラザ(1976) by ケヴィン・ローチ&ジョン・ディンケルー


(モダニズム的なプラザではない憩いの広場)
ペィリー公園(1967) by ズィオン&ブリーン(ランドスケープデザイン)





[現代建築]

モダニズムへの反省から生まれたポストモダニズムの更に反省の時代となり、 色々なスタイル、考え方が並立する現代的状況が出来あがった。


現代建築
アート&アーキテクチュア・ストアフロント(1993) by スティーブン・ホール他



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